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川浦教育システム・えいごはうす

岸和田市・春木にある個別学習塾、「川浦教育システム」のブログです。ネイティブ講師による英会話教室「えいごはうす」も併設しています。

5月の星空

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5月の星空

 5月は1年の中では比較的大気が安定し、スターウオッチングに絶好の季節です。澄み切った日には、夜空に星々が力強く輝き、夜半を過ぎると夏の天の川が中天にかかり、夜空に彩りを添えます。5月の夜空では、南の空に春の大三角が、北の空に北斗七星が目立ちます。北斗七星と春の大三角を結んでいるのが、春の大曲線で、どこかのどかな印象がある春の夜空を、北から南まで大きく振り仰いでみましょう。

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 夜10時頃の南の空にはおとめ座が横たわり、1等星スピカの純白に輝く姿が印象的です。スピカのすぐ南東にある少しいびつな四角形がからす座です。1等星はありませんが、この辺りには明るい星がありませんから、よく目立ちます。西に傾いたしし座、天頂に昇ったうしかい座など、春の星座に混じって東の空からはさそり座やへびつかい座など、夏の星座が早くも顔を出し始めます。

 北の空に水を汲むひしゃくのような形に並ぶ北斗七星が見つかれば、そのひしゃくの柄のそりかえったカーブをそのまま頭上方向に延長してくると、頭の真上あたりでオレンジ色に輝くうしかい座の1等星アルクトゥールスに行き当たります。

 さらにカーブを南に延長していくと、南の中天に先ほどのおとめ座の一等星スピカに届きます。アルクトゥールスとスピカ、それにしし座の尾に輝く2等星デネボラの3個の星を結びつけると、逆三角形の春の大三角のできあがりです。今年は5月12日が新月で、ゴールデンウィーク期間中は深夜に下弦の月が上り始めるまでは、月明かりがなく星が見やすくスターウォッチングに適しています。また、この頃、みずがめ座η(エータ)流星群の活動が極大となり、6日の未明から明け方が最も流れ星を見つけやすくなります。空の条件の良いところで1時間あたり20~25個程度、空が明るいところや視界が開けていないところでは7~10個程度見えると予想されます。東から南東の低い空に注目しましょう。

 みずがめ座η(エータ)流星群は、毎年ゴールデンウィークの終わりごろに活動する流星群で、速度が速いのが特徴です。ハレー彗星の通り道を地球が通過し、そこに残されていた塵が地球の大気に飛び込んで、上空100km前後で発光して見える現象です。ご興味のある方は川浦教育システムにお問い合わせください。

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画像出典:AstroArts社「StellaNavigator」

2021年度大阪府公立高校入試について

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2021年度大阪府公立高校入試について

 近年、私立高校無償化に伴って私立高校専願者が微増傾向にありますが、概ね公立校志向が強い地域です。2月の進路希望調査では三国丘、泉陽、登美丘、久米田などに志願者が集中しましたが、最終出願では三国丘(文理学科)=1.40倍をトップに、高石(普通科)=1.38倍、和泉(グローバル科と普通科)=1.32倍、東百舌鳥(以下普通科)=1.32倍、泉陽=1.31倍、久米田=1.29倍と続きました。ただ、地域全体の普通科、商業系、工業系の中堅校、底辺校を中心に低倍率にあえぎ、一部で定員割れが生じました。

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小・中学生と保護者の方に留意して欲しいこと

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小・中学生と保護者の方に留意して欲しいこと

こちら のPDFファイルでもご覧いただけます。

 新しい学習指導要領による教育が、令和2(2020)年度から小学校で始まりました。また、令和3(2021)年度から中学校、令和4(2022)年度から高校でも始まる予定です。学習指導要領は約10年ごとに改訂されますが、過去をさかのぼりますと、平成14(2002)年度のものが戦後最大の改訂でした。この時に、それ以前の「詰め込み教育」への反省から、学校完全週5日制の実施にあわせ、数学(算数)・理科を中心に、学習内容が約3割削減され、いわゆる「ゆとり教育」が始まったのです。学習指導要領の改訂のタイミングと、その後はほぼ4年ごとに教科書も改訂されますが、まさに、過去最低レベルの教科書が誕生したのでした。

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 その後、OECD(国連経済協力開発機構)による国際学力比較で日本が大幅に順位を落としたことなどを踏まえ、「ゆとり教育」が順次見直されてきました。「ゆとり教育」時の学習指導要領にあった「これ以上のことは教えてはならない」という「歯止め規定」が廃止され、学習指導要領は「最低限教えなければならない」内容に変わり、学習指導要領を超える「発展的な学習内容」を教える教科書が、小学校で平成17(2005)年度から、中学校で平成18(2006)年度から、高校で平成19(2007)年度から年次進行で使用されるようになりました。

 さらには、「ゆとり教育」導入の平成14(2002)年から9年ぶりに学習指導要領が改訂され、小学校で平成23(2011)年度から、中学校で平成24(2012)年度から、高校で平成25(2013)年度から、新たな学習指導要領にもとづく教科書が使用されることになりました。この学習指導要領期間中に1回の教科書改訂を経た後、また9年後に、また新たな学習指導要領が定められ、冒頭の記述のように令和2(2020)年度以降、小学校→中学校→高校と、年次進行で実施されていきます。

 ここで、「ゆとり教育」(2002年度)以降の、9年ごとの学習指導要領が定める授業コマ数の推移を見ておきましょう。

 小学校:2002年=5367コマ→2011年=5645コマ→2020年=5785コマ(2002年比7.8%増)

 中学校:2002年=2940コマ→2012年=3045コマ→2021年=3045コマ(2002年比3.6%増)

 授業コマ数は「ゆとり教育」当時と比べて、小学校6年間で年間418コマ(7.8%)増、中学校で年間105コマ(3.6%)増となっています。

 また、教科書ページ数は、「ゆとり教育」導入時に数学(算数)・理科を中心に約3割削減されましたが、「歯止め規定」がなくなり「発展的な学習内容」を教えてもいいという段階にすでに「ゆとり教育」以前よりも増えていました。令和2(2020)年度からの新しい学習指導要領で小学校5・6年生で英語が正規の授業になったことなどにより、小・中学校を通じ、教科書ページ数は総じて「ゆとり教育」当時と比べて約1.6倍になっています。さらに、新しい学習指導要領では、「コミュニケーション能力」「データ活用」などを大きなテーマとし、各教科の学習内容が中学校→小学校、高校→中学校と繰り下げられ、同じ小学校、中学校の中でも学習内容が下の学年に繰り下げられ、学習時期の早期化が図られています。

 こういう状況の中で留意しておくべきことは、「ゆとり教育」当時と比べて約1.6倍増の教科書での教育が、「ゆとり教育」時に導入された学校週5日制を維持したまま行なわれているということです。しかも、「ゆとり教育」時代よりも学ぶ学年が早くなり、学ぶ内容が量的・質的ともに「ゆとり教育」以前と同等かより高度で難しいものがたくさん含まれています。また、教科書そのものがその全てを授業で取り扱うというものではなくなり、説明や例題が多く丁寧で、いわば「取扱説明書」化し、授業の内外で生徒に自学自習を促しています。

 「ゆとり教育」時代には小学校・中学校のカリキュラムに余裕がありましたので、ある単元でつまずいている生徒がいれば時間をとって丁寧に授業を進めることや、何かの事情でその学年で積み残しがあった場合は、次の学年でその穴埋めをすることもできていましたが、今そんなことをすれば「未履修」で担任の先生の責任問題になりかねません。現に、小学6年生と中学3年生で毎年実施される「全国学力テスト」で出題された内容がその学校で未履修であれば大騒ぎとなっています。必然的に、1年間を通じて小学校・中学校での授業が速く進み、教科書内容の全てを学校で分かるまで丁寧に教えることができない状況となっています。かくして、各学年で履修すべき学習内容は形式的には授業で済ませたことになっているものの、中身をきちんと理解している生徒がどれだけいるのかは疑問です。「ゆとり教育」時代よりも余裕のない授業時間で、「ゆとり教育」時代よりも量的にも質的にも多くて難しい内容をこなすこと自体に大きな矛盾があるのです。

 ただ、この問題があまり表面化しないのは、特に小学校の先生としては、自分が授業で教えた分しかテストや評価の対象にできないので、結局、学校で教えていない(教えられなかった)分がどこかへ飛んでしまっているのです。そのツケが回ってくるのが、中学校ということになります。中学生になって、小学校で身に着けておくべき、分数や小数の四則演算、割合、比、メートル法など、あるいは小学3~4年の漢字や理科・社会の基本事項の多くが身についていない生徒が如何に多いことでしょうか。中学校や塾の先生なら、身をもってこのことを実感されていると思います。

 ここで考えてみましょう。このような実態になるのはいったい誰の責任でしょうか。こういう仕組み(学習指導要領)を作った文部科学省でしょうか。教えるべき時に教えるべき内容を教えていない小学校の先生でしょうか。・・・その答えは、結局「自己責任」ということになります。学校で必要な学習や反復練習の時間が十分に取れない分、生徒が「自己責任」で学校での学習時間不足を補う必要があるのです。川浦教育システムでは、このような状況を踏まえ、学校でできないこと、学校の先生がやりたくでもできないことをしっかりと生徒の皆さんにお伝えし、実行してもらおうという姿勢で取り組んでいます。各ご家庭におかれましては、上記に挙げました様々な矛盾を塾と一緒に考え、解決に向けて取り組んでいっていただけたらと願っています。