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川浦教育システム・えいごはうす

岸和田市・春木にある個別学習塾、「川浦教育システム」のブログです。ネイティブ講師による英会話教室「えいごはうす」も併設しています。

小論文 高得点続出!

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小論文 当塾生徒 高得点続出!

公立高校入試小論文特集

 大阪府情報公開条例に基づき、生徒本人が規定の期間に受験した公立高校の事務局に行けば、自分の入試成績と中学校の内申点(調査書評定)を開示してくれる制度があります。当塾では、毎年受験生にお願いして、成績を塾に報告してもらってもらい、今後の自塾の後輩生徒の進路指導に生かすとともに、プライバシーには十分配慮した上で、加盟する泉州私塾連合会(泉塾連)にてデータを集積、分析して、泉州地域全体としての客観的な指標として、同様に、各塾の生徒の進路指導に活用しています。

 今年も、当塾で公立高校を受験した生徒全員から入試成績の報告を受けました。各生徒の成績を拝見し、改めて、生徒たちがこの塾でよく学び、よく頑張り、その成果として全員合格に至った経緯や成功の要因を再認識させてもらったのですが、中でも今年の場合、各生徒の小論文の成績が傑出し、入試合格の大きな鍵になっていたようです。

 2月実施の公立高校前期入試では、今年から新規に前期でも入試を行うことになった普通科を含め、ほぼ全員の受験生に30点満点の小論文が課されました。ちなみに、小論文の配点は、昨年度までは文理学科が20点満点、総合学科が100点満点だったのに対し、今年度はすべて30点満点に統一されました。小論文の試験時間は20分で、字数については、文理学科が600字程度、他学科が400字程度です。また、小論文の配点割合は、文理学科が全330満点中30点で約9%、他の多くの学科が全180点満点中30点で約17%と、非常に高く、英語・数学の問題が極端に難化していて高得点が望めない中、小論文の成績が合格に直結したといっても過言ではありません。

 個人情報への配慮から個別得点の公表は差し控えますが、今年、当塾の生徒が報告してくれた小論文の平均点は約23.6点(30点満点)で得点率は78.8%でした。従来の入試での得点率の推移から見ると相当に高いものと言えます。中でも、文理学科における当塾生徒の得点率73.3%は、20分で600字という厳しい条件を考えると異常な高得点です。ちなみに、過去2年間の文理学科小論文の入試成績を、泉塾連のデータで見ると、(報告者数30数名)、20点満点中(昨年までは20点満点)、最高点が10点(得点率50%)、平均点が6.4点(得点率32%)でした。

 当塾における小論文の指導は、当塾オリジナルの文理学科用・一般用の各小論文テキストによる学習、過去の入試問題や予想問題に当塾独自のオリジナル模範解答例などを用いた、徹底した問題演習とその都度のアドバイスを伴う添削指導などです。紙面の都合で、あまり細かいところまではご説明できませんが、小論文指導で大切なことは、文法、語彙、敬語など、国語および人間として日常生活を送る上で基本になることがらをきっちりと固めた上で、原稿用紙の使い方、問題文の把握と書くべき内容の組み立て、文章構成などをしっかりと練習すること、そして、決め手となるのが、時間内に仕上げるという集中力と現場で力を発揮する前向きの熱意などです。最後に、文理学科の生徒が取り組んだ様々な課題の中で、2つの予想問題、および、YESの立場で書かれた川浦教育システム作成のオリジナル模範解答をご紹介します。

(問い) 日本語でカタカナ表記の外来語が多く使われていることについて、あなたはどのように考えますか。筆者の考えをふまえて、600字程度(横書き)で書きなさい。

(解答例) 筆者は、カタカナ語の乱用が、本来の母国語の語彙を消し去り、この国の伝統的な表現を貧しくしていると述べている。ここで、筆者のいうカタカナ語の乱用とはどのようなものであろうか。

 確かに、太平洋戦争のさなか、敵性語である英語が禁じられ、野球で「ストライク」が「よし」、「ボール」が「だめ」、「アウト」が「それまで」など、強制的にカタカナ語(外来語)を日本語に改めさせたことには相当の違和感を伴う。しかし、今日のカタカナ語の乱用には目に余るものがあり、カタカナ語の規制とまではいかなくても、何らかの形で改善していく必要がある。

 例えば、明治の文豪正岡子規が、「ベースボール」を「野球」、「バッター」を「打者」、「ランナー」を「走者」などと翻訳し、現在も親しまれている素晴らしい事例がある。「マスコミ」「パトカー」「コンビニ」などのカタカナ語も、それぞれ「大衆伝達媒体」「警察警備車」「便利店」など、原語の意味にできるだけ忠実で、分かり易い表現の日本語に置き換えることは可能だ。

 つまり、言語というのは長い年月をかけて形作られてきたものであり、母国語の中にこそその国や民族の伝統、文化が凝縮されている。だから、外国語をカタカナ語にそのまま移し替えるという安易な方法ではなく、正岡子規に習って、日本語に置き換える努力や工夫をすることが大事である。

(問い) 食の安全について、あなたはどのように考えますか。筆者の考えをふまえて、600字程度(横書き)で書きなさい。

(解答例) 筆者は、人間の欲望にはきりがなく、見た目がきれいで便利な食品を手に入れた代わりに、税金より高いツケに苦しんでいると述べている。ここで、筆者のいう税金より高いツケとはどのようなものであろうか。

 確かに、これまで私たちは、スーパーマーケットで、同じ値段であれば、農薬を使わない代わりに虫に食われてみすぼらしく育った野菜よりも、適度に農薬を使い見た目がきれいな野菜の方を好んで買ってきた。しかし、筆者が例に挙げた農薬や添加物の問題などを通じ、食が健康に及ぼす悪影響についての私たちの意識が高まってきており、必ずしも以前のような状況ではない。さらに、食の安全については他にも様々な意識を持つことが必要だ。

 例えば、先日新聞で見たのだが、小学校の給食で、担任の先生が乳製品に対してアレルギーのある生徒に誤ってチーズ入りの食事を与え、その生徒が亡くなったという。その生徒には1杯目はチーズの入っていない食事であったのだが、お代わりの時に、他の生徒と同じものを与えてしまったらしい。やはり、担任の先生に万が一の事態に備えるという意識が足りなかったのではなかろうか。

 つまり、食の安全は私たちの健康や命の関わることであり、筆者のいう税金より高いツケを払わないためには、私たち一人ひとりが、正しい情報・知識と高い意識を持つことが大事だと思う。